こんにちは!鹿児島県共生・協働センター、通称「ココラボ」です!^_^
2026年5月13日(水)、カクイックス交流センターにて「NPO法人向け 事業報告書のミカタ・カキカタ講座」を開催しました。当日はNPO法人の関係者や市町の行政担当者など24名にご参加いただきました。
今年度の開催に至った背景
ココラボの窓口では、日々NPO法人の皆さんからさまざまなご相談をお受けしています。
なかでも事業報告書については、
「何を書けばいいのか分からない」
「とりあえず提出するだけになっている」
「会計書類との関係がよく分からない」
といった声が年間を通じて繰り返し寄せられています。
昨年度の開催後には「繰り返し学ぶことで理解が深まる」という声もあり、今年度は5月という提出前の実務タイミングを見据えて開催することにしました。
事業報告書は「団体の履歴書」
講座の冒頭では、「事業報告書とは何のためにあるのか?」という基本から整理しました。
事業報告書は行政への提出義務があるだけでなく、助成財団や寄付者、金融機関など、多くの人が目にする可能性のある重要な資料です。講座では事業報告書を
「団体の履歴書」
と表現しました。過去の実績が未来の信頼や協働につながる一方、内容が曖昧だったり整合性が取れていなかったりすると、団体の信頼を損なうリスクもある——そのことを参加者の皆さんも真剣な表情で受け止めていました。
「イケてない報告書」をみんなで探してみた
前半のワークでは、参加者それぞれが「これまで見た(またはやってしまった)イケてない報告書の特徴」を付箋に書き出してホワイトボードに貼り出しました。
集まった付箋には次のような声が並びました。
- 数字が入っていない・数字があっても会計書類と合っていない
- 「頑張りました」「盛り上がりました」など主観的な表現ばかり
- 事業名が定款の記載と異なる
- 文字が小さくて読みにくい
- 前年度の内容をそのまま使い回している
NPO法人の経営層や事務担当の方、また手続きを受け付ける行政側の方、双方を交えてのやり取りとなったことで、より多様な視点からの気づきが生まれました。
「あるある!」という笑いも交えながら、課題を共有する場になりました。
「信頼される報告書」にする3つのポイント
講座では、事業報告書を書くうえで大切なポイントとして次の3つが紹介されました。
①数字を入れる
いつ・どこで・何回・何人が参加したのかなど、具体的な数字で示す。
②事実を書く
「楽しかった」「盛り上がった」といった主観的な表現ではなく、アンケート結果など客観的な情報を用いる。
③成果を書く
活動によってどんな変化が起きたのか、アウトプット(実施した内容)とアウトカム(生まれた変化)を区別して伝える。
ワークでは、実際の例文を使って「どこが不十分な報告書なのか」を参加者同士で考え、より伝わる文章へと書き直す演習も行いました。
会計書類との「整合性」が信頼を左右する
後半では、事業報告書と一緒に提出する会計書類についても解説がありました。
活動計算書・貸借対照表・財産目録・役員名簿・社員名簿など、提出書類の全体像を整理しながら、それぞれの役割とチェックポイントを学びました。
特に強調されたのが、文章(事業報告書)と数字(会計書類)の整合性です。
定款に記載した事業名と報告書・計算書の事業名が一致しているか、事業費の金額がずれていないか——
こうした「つながり」が崩れると、どれだけ内容の良い報告書でも信頼を損ないかねません。
また、家賃などの費用を事業費・管理費に分ける「按分」の考え方についても、具体的な計算例を通じて学びました。
参加者からは、
「これまで数字と文章を別々に考えていた」
「読み手の視点で書くことの大切さが分かった」
といった声が聞かれました。
報告書は「提出して終わり」ではない
講座の最後には、事業報告書をさらに活用する考え方として、アニュアルレポートの紹介もありました。
行政に提出する事業報告書を素材として、写真やストーリーを加えることで、支援者や寄付者、地域の人たちに活動を伝える大切な広報活動のひとつです。
このように、事業報告書は単なる義務書類ではなく、団体の活動や想いを伝えるコミュニケーションツールでもあります。
【アニュアルレポートとは?】
1年間の活動の成果や財務状況をまとめた「年次報告書」のことです。行政への提出が目的の事業報告書とは異なり、支援者や地域の人たちに向けて、写真や図解を使いながら「この1年でどんな変化をつくれたか」をわかりやすく伝えるためのもの。団体の想いや実績を社会に届け、次の応援につなげる、広報・信頼づくりのツールです。
参加者の声
「4月に立ち上げたばかりなので大変参考になりました。特に計算書が苦手なので、また提出前にご相談にあがるかと思います。」
「今回2回目の参加です。回を重ねるごとに理解が深まり、1度気づかなかったことなど新たな発見がありました。今後も何かの講習があれば参加したいと思います。」
「4月に担当となり、職員にも詳細まで理解しているものがいないため、今日の受講は大変勉強になりました。」
「早めのタイミングで事業報告書の講座を実施していただいたのは大変ありがたかったです。」
「毎年さぐりさぐりで作成しており、今回の講座で間違いや作成の仕方が分かり、さっそく修正しないといけないところがたくさん出てきました。」
信頼を育てる報告書へ
今回の講座では、「自己流で進めていた内容の誤りに気づけた」「立ち上げ直後の法人運営に役立った」など、実務に直結する学びにつながった様子がうかがえました。行政職員からも、権限移譲に伴う業務理解を深める機会になったとの声があり、NPO法人だけでなく支援側にとっても必要性の高い内容であったと感じています。
ココラボでは今後も、NPOや市民活動団体の皆さんが活動を継続・発展していくための学びの場づくりを続けていきます。事業報告書の作成や提出に関するご相談は、ぜひお気軽にご相談ください。
