「もっと知りたい」から、地域に飛び込んでみる
野下 昂平さんの最初の一歩
こんにちは!ココラボです。
今回ご紹介する16人目の方は、鹿児島県職員として働きながら、現場に足を運び、人と出会い、地域と関わり続けている野下 昂平(のした こうへい)さんです。
前編では、野下さんが「困っている人に、もっとアプローチできる形で関わりたい」という思いを出発点に、「もっと知りたい」「関わってみたい」という気持ちを、少しずつ行動へと変えていった過程を辿りました。
また今回の記事では、地域に関心を持ち始めた人が、どのように最初の一歩を踏み出していくのかを丁寧に追ってきました。
後編では、一歩踏み出した先で、野下さんは、何が見えてきて、何を大切にしているのか、そしてこれからの展望についてお届けします。

一歩踏み出した先で見えてきたこと
野下さんが実際に現場に関わる中で、まず強く感じたのは、企画する側が楽しんでいる場には人が集まりやすい、ということでした。
準備は大変なはずなのに、印象に残る現場ほど、企画する側が楽しそうに動いている。
険しい顔で場を回しているというより、自分たちもその時間やその場を楽しみながら、参加者を迎えている。
その空気があるからこそ、初めて来た人も入りやすく、「また来たい」と思える場になるのではないか。
野下さんは、そう感じるようになったといいます。
その経験を重ねる中で、野下さん自身も、「自分が楽しめているか」ということを大切にするようになっていきました。
地域活動というと、どこか「頑張るもの」「真面目に取り組むもの」と受け取られがちです。
もちろん、それも事実で、大事なことです。
『ただ、やっている自分が楽しいことも、同じくらい大事だと思うんです。』
場の空気は、つくる側の姿勢に大きく左右される。
だからこそ自分も、関わるなら楽しみながらいたい。
その感覚が、野下さんの中で一つの軸になっているようでした。
そしてもう一つ、現場に関わる中でよりはっきりしてきたのが、「まず飛び込んでみる」という姿勢です。
『大きな一歩じゃなくてもいい。0.5歩でも、0.1歩でもいいと思うんです。』
誰かに会いに行く。
少し手伝ってみる。
一度現場に顔を出してみる。
そうした小さな行動が、次の出会いにつながり、次の関わり方を考えるきっかけになる。
前編で描いた「まず行ってみる」「少し混ざってみる」という一歩は、ここでより確かな思いに変わっているように感じました。

これからについて
では、これから野下さんは、地域とどのように関わっていきたいのでしょうか。
野下さんが今、思い描いているのが、
「鹿児島県内すべての市町村に、相談できる仲間がいる状態をつくりたい」ということでした。
一つひとつの地域を、名前だけではなく、そこにいる人や空気ごと知っていく。
もっと現場に行って、もっと人に会って、その地域のことを自分の感覚で知っていきたい。
その積み重ねが、県職員としての仕事にも、自分自身の地域との関わりにも生きてくると考えているそうです。
この展望の背景には、これまで現場に足を運び、人と出会い、そのつながりの中で地域を知ってきた実感があります。
野下さんにとって、人とつながることは単なる人脈づくりではなく、地域を理解し、関わり続けていくための土台でもあるのだと思います。
また、そうして各地域に仲間ができていくことは、結果として、自分が動くことで誰かの助けになれる場面を増やしていくことにもつながっていくのかもしれません。
これまで野下さんは、現場に足を運び、人と出会い、その関わりの中で地域を知ってきました。
一つひとつの地域と人に、丁寧に向き合っていくこと。
その積み重ねが、野下さんのこれからの関わり方を形づくっていくのだと思います。
終わりに
取材を通して印象に残ったのは、野下さんは「もっと知りたい」「関わってみたい」という気持ちを、小さな行動に変えながら歩んできた人だったということでした。
まず現場に行ってみる。
少し混ざってみる。
人と出会い、その場の空気に触れてみる。
そうした一歩の積み重ねが、野下さんの中で地域との関わりを少しずつ形にしていきました。 そして、その経験の中で、「自分も楽しむこと」や「まず飛び込んでみること」が大切な軸になっていったのだと思います。
今回の野下さんの回でお伝えしたいのは、
「地域との関わりは最初から大きな役割を担っていなくても始められる」ということです。
何かを成し遂げてからではなくても、気になった場に行ってみることからでも、一歩は踏み出せる。
このインタビューが、地域に関わってみたいと思い始めた誰かの背中を、そっと押すきっかけになれば幸いです。
(執筆者: 一般社団法人テンラボ 古賀)
