【開催レポート】ココラボオンライン講座「法人格ごとの特徴と非営利団体の設立・運営ルールについて」

みなさんこんにちは!

鹿児島県共生・協働センターココラボです!^^

 

今年度ココラボでは、県内での地域づくりや社会課題解決に関する活動に役立つオンライン講座を開催しています。

 

今回は、「法人格ごとの特徴と非営利団体の設立・運営ルールについて」をテーマに、法人格の特徴と設立についてや、法人を運営する上で意識すべきことについて、ココラボスタッフでもあり、実際にNPO法人を経営している”NPO法人くすの木自然館”浜本麦さんにお話しいただきました。

 

当日は、活動の中で法人化を考えている方や既に法人をつくって運営されている20名の方々にご参加いただき、参加者同士の意見交換や質疑応答を含めながらの2時間半となりました。

 

それでは、当日の様子を一部ご紹介します。

目次

1、開催概要

2、法人格ごとの特徴とそれぞれの設立手順

3、運営する上で大切なこと

4、参加者の感想

5、次回の案内


1、開催概要

①日時:5月28日(土)14:00〜16:30

②場所:オンライン(zoom)

③人数:参加者20名

④講師:NPO法人くすの木自然館 代表理事 浜本麦氏

⑤内容:-法人格の特徴とそれぞれの大まかな設立手順について

    -法人を運営する上で意識すべきこと(法令遵守・管理面など)

    -参加者同士のグループディスカッション

    -質疑応答

2、法人格ごとの特徴とそれぞれの設立手順

・法人格を持つ意義

初めに、そもそも「法人」とは、法人格を有する人や財産の集団のことで、どんなに小さくても「会社」であると麦さんは言います。(個人事業主は集団ではないので違う)

一般社団法人、NPO法人、合同会社、社会福祉法人、医療法人、大学法人などなど、世の中には法人とつくものはたくさんありますが、全て実は会社なんですね。

 

また法人格とは、収入を得られる、人を雇用できるなどの「権利」納税や報告などの「義務」が与えられ、「社会的に法律で守られた地位も一緒につけるよ」と国が示したものです。権利と義務を持っていて、社会的に守られているものが法人ということですね。

 

ここで大事なのは、権利もあるけど義務もあることであり、法人をつくる際に、自分のやりたいことを会社として、義務が発生してもやりたいことなのか立ち止まって考えることが大事だと麦さんは言います。やりたいことができるのならば、個人事業主や任意団体でも良いのではないかということです。

 

・法人格を持つメリット

法人格を持った後は、理想とする未来のために、課題を見つけたり、課題を解決するための事業を行い、収入などを得ます。ですがこれは、「個人事業主」も「任意団体」も「法人」も一緒です。では何が違うのでしょうか?

 

違いとして、法人は寿命がないことであると麦さんは言います。個人でやっているとその人が続けることができなくなった場合、そこで終わってしまいますが、法人だと立ち上げた人が倒れても、思いや理想の未来を引き継いでくれる人がいるということです。

 

その他にも

●社会的な信頼が得られる

 ・法人格をもっているところしか取れない「補助金」「助成金がある」

  ※あくまでも「ある」だけで、作れば貰えるわけではない。補助金に頼って法人を作ったら苦労する。

 ・行政と仕事がしやすい

●税的に優遇される(個人と比べると。多少…。)

●代表者がすべての責任を負わなくて良い

 ・仲間がいるということ

 

などが挙げられました。

 

その後は、任意団体や個人事業主や営利団体、非営利団体それぞれの特徴についてや、法人格ごとの特徴や種類についてひとつひとつ細かくご紹介いただき、前半部分での質疑応答を行って、前半の部を終えました。

3、法人を運営する上で大切なこと

後半の部では、法人を運営する上で大切なことについてお話しいただきました。

どの法人にも共通して、1年に一度の報告義務があります。1年間どんな事業を行ってきたのかの事業報告、それに対してどんなお金が動いたのかなどの会計報告です。

また、1年に一度は総会を開かないといけません。

 

やりたいと思いを持った人が1人で法人運営を始めた場合、事業の運営と会計処理を1人でやらないといけません。なので、まずは自分がやりたいことを任意団体から始めて、どんな手順でできるか、どういう人と繋がれば良いか、どのくらいのお金があればできるかのノウハウを得て、事業の報告や会計までできるとなってから法人運営に回っても良いのではないかと麦さんは言います。

 

その他、法人を解散する際にはお金がかかり、また、事業費以外に管理費がかかることが法人運営の際の注意点として挙げられました。

忘れちゃいけない大切なこと

さらに、法人を運営する上で大切なこととして下記を挙げました。

 

①法人は、「会社」であって個人のものではない!

②法人の決定権を持つのは「理事会」!NPO法人は特に理事長(代表理事)ではない!理事もそれを自覚する責任がある!

③報告の義務や登記義務があるからこそ、税制優遇があり、社会的信頼を得られる!助成金・補助金は、その社会的信頼があってこそ!

④個人と違い、「法人」に寿命はない。「思い」をもって立ち上げたのだから、「思い」を達成するように、後継者を育てる!

⑤法人は管理費がかかる!!

また、最後に麦さんからは、「何を」目的として「誰が」「なぜ」おこなうのか?それは、「法人=会社」である必要があるものなのか?法人格を持つことで生まれる義務を全うし、リスクを背負う覚悟があるのかなどをじっくり考えて、自分にあった地域貢献のあり方を考えること。法人を設立する前に、事務処理ができるのか1年に一度の報告ができるのか税金を払えるだけの稼ぎが出せるのか、そこを一度立ち止まってしっかり考えて、計画をたてて法人をたてましょうとお話しいただきました。

4、参加者の感想

今回のオンライン講座を聞いた参加者の感想を一部抜粋してご紹介します。

 

実例をあげての解説がわかり易かった。

非営利活動法人での運営をどのようにやって行き継続すれば良いかがわかった。

とても分かりやすかった!この分野の情報が今本当に大事だと思っているので今日参加できてよかったです!!

法人の設立について、その種別や条件、また責任の有無など、よく整理して理解することができた。また、どこか法人設立が目的化してしまって、その気持ちばかりが先走ってしまっているような感覚であったが、麦さんの「任意団体での活動でもいい」というお言葉で少し気持ちが楽になった。

5、今後の案内

・視聴用動画について

今回のオンライン講座の開催内容は、視聴用動画として公開をしています。

視聴にあたっては、こちらから事前申込をお願いいたします。

申込が確認でき次第、担当よりメールにて動画視聴についてご案内いたします。

 

・次回のオンライン講座について

次回のココラボオンライン講座の内容は、「活動を進めるための資金調達と情報発信のコツ」についてです。

関心のある方は是非ご参加ください♪

 

■開催概要

<内容>
 ●資金調達と情報発信の基本
 ●設立時、新規事業立ち上げ時の実際の事例解説
 ●参加者同士のグループディスカッション
 ●質疑応答      など
<こんな人におすすめ>
 ●NPO法人や一般社団法人の設立を考えている方
 ●非営利団体・法人を設立または運営や情報発信を担当されている方
 ●新規事業立ち上げや第二創業期にあたり、資金面・情報発信の見直しを考えている方
<開催概要>
 第2回ココラボオンライン講座「活動を進めるための資金調達と情報発信のコツ」
 日時:7月17日(日)10時~12時半
 方法:ZOOMを使ったオンライン開催
    ※アクセス先情報はお申し込みの方のみへメールでご案内します。
 対象者:鹿児島県内の地域づくりや課題解決に関わる活動をされている方
 定員:20名
 申し込み〆切:7/14(木)
 申し込みフォーム:https://urlzs.com/1Q4mp
 講師:一般社団法人横川kito
    代表理事
    白水 梨恵(しらみず りえ)
    鹿児島市生まれ。立命館アジア太平洋大学卒。IT企業にて全国の特産品EC販売・商品開発に従事。その後、社会起業支援や人材   
    育成を行うNPO法人ETIC.にて移住支援・地域人材育成コーディネーターを経験。2013年に鹿児島へUターン、2017年には霧島市
    へIターンし、霧島市を中心に地域づくり事業やライター業を行っている。2020年11月、霧島市横川町の地域活性化を目的とした
    (一社)横川kitoを立ち上げ、融資やクラウドファンディング等も活用しながら、店舗運営と地域系企画事業を経営。またメディ
    ア戦略に力をいれている。