ココラボ公開研究会〜組織開発〜開催レポート

 

12月14日(土)10時〜12時、鹿児島県共生・協働センター ココラボにて『ココラボ公開研究会〜組織開発〜』を開催しました。

 

当日は鹿児島県内各地で地域コミュニティやNPO、任意団体の運営に携わる20名以上の方々にご参加いただき、非常に内容の濃い2時間を過ごしました。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

 

今回の公開研究会では、”組織開発”をテーマに置き、社会的事業に組織で取り組む上での人材採用・育成のポイントや運営方法、また法人化する際の形態の選び方などについて、会場全体で意見交換を行いながら学び合いました。

 

公開研究会当日の様子をご紹介します!

 

ココラボ公開研究会とは?

 

ココラボでは、7月〜3月までの9ヶ月間を3つに分け、それぞれテーマを設定しリサーチや相談支援業務の強化に取り組む『●●強化月間』を行なっています。

  • 2019年7月〜9月:情報発信強化月間
  • 2019年10月〜12月:組織開発強化月間
  • 2020年1月〜3月:資金調達強化月間

上記期間中、それぞれのテーマについてココラボスタッフが県内事例や文献などのリサーチを行い、その結果をレポート・ガイドブックという形で冊子にまとめ、ココラボでの相談支援業務などを通じて、ココラボにいらっしゃる様々な方々にご活用いただけることを目指しています。

 

今回10月〜12月のテーマは組織開発

ココラボスタッフが3か月間で取り組んだ社会的事業の組織開発に関するリサーチ成果を発表し、参加者の方々と意見交換を行いながら学びを深める場が『ココラボ公開研究会』です。

 

具体的には、鹿児島県内の組織開発に関するノウハウをお伝えするとともに、効果的な組織開発に取り組む団体にヒアリングした「ここだけの話、ウチはこうしてます!」といったナマの情報をお伝えし、参加者の方々それぞれの現場でのことも踏まえながら気づきや経験談、情報などを共有し合いました。
 

組織開発ガイドブックの紹介と意見交換

 

今回の公開研究会では、ご参加いただいた方全員に2種類の冊子をお渡ししました。

  1. 社会的事業における組織と人の状況(ココラボ組織開発リサーチ結果のレポート)
  2. 自ら学び、進化し続ける組織づくりのポイント(現場で実践するためのガイドブック)

まずは1のレポート内容のご紹介から会がスタートしました。

組織開発はどのような規模や立ち位置にいる組織も、全てが悩みを抱える永遠のテーマ。

それだけに、鹿児島県内だけでみても複雑な変遷や課題があり、解決のための様々な施策が設けられています。

 

公開研究会の場では、その中でも特に大事なポイントを抜粋してご説明しました。

  • 鹿児島県内のNPO・任意団体を取り巻く環境や施策の移り変わり
  • 法人格ごとの特徴と法人化する際の形態の選び方
  • 各法人格の設立時の費用や手続きについて
  • 全国的に見たNPO・個人事業の現状と組織運営課題
  • 課題解決に向けた鹿児島県内での取り組み・施策

上記のような内容について、リサーチを担当したココラボスタッフから参加者の方々へご説明をさせていただきました。

 

続いて、2のガイドブックのご紹介です。

 

ガイドブックは活動の現場で実際に課題にぶつかった際、課題の解決に活用していただくことを想定して作成しています。

レポートと違い、実際に知っておいた方が良い知識や、実践する際に活躍するワークシートの使い方、県内での成功事例など、すぐにでも現場で活用できる内容となっています。

  • 組織開発の名著”学習する組織”を元にしたアプローチや手法
  • 組織の段階に応じたワークのご紹介とワークシートの使い方
  • 組織課題のケース別対応
  • 県内各地で組織開発に精力的に取り組む5団体のヒアリングレポート

ガイドブックに掲載している内容はNPOに限らず、任意団体や小規模な組織でも十分活用できるもの。

また、県内での事例紹介・ヒアリングレポートについては、地域コミュニティ・NPO・任意団体・地域団体・企業と、様々な形態の組織での事例をご紹介しています。

 

 

 

 

レポートやガイドブックのご紹介は、ところどころ参加者同士での意見交換を交えながら進めました。

 

意見交換では、それぞれの現場に置き換えて気づいたことや、日頃の組織課題解決の取り組みからくる疑問などが共有されていて、グループ内でお互いに知識と経験を交換しあい、学びを深める場となりました。

 

 

谷山ふるさとコミュニティ協議会 内田さんのお話

 

最後に、『谷山ふるさとコミュニティ協議会』で発足時から活動されている内田さんより、活動内容や組織運営の上で意識しているポイント、また地域の若手や企業など、谷山の地域を構成する多様な住民を巻き込みながら活動を続けていくコツなどのお話を伺いました。

 

  • 谷山ふるさとコミュニティ協議会(以下、ふるコミ)は平成27年発足。住民主体でイベント企画やWEBでの情報発信など、年間通してさまざまな活動を行なっている。
  • 一見、何をしているのかわかりにくくなってしまいがちな地域団体の活動内容。ふるコミでは取り組む内容を5つのカテゴリに分類し、目指す将来像までのステップを3段階に設定。組織を構成するメンバーや地域住民が現在の位置を確認しやすいよう工夫している。
  • 地域が理想の未来に向かうには「関わるメンバーみんなが同じベクトルを向いていること」「地域に関係するさまざまな人や団体が歯車のように徐々にかみ合わさっていくこと」が大切。一つ一つは小さなことだが、それが合わさって地域の大きな原動力になる。
  • 常に地域に動きを出すことが大事。準備に1年かかるような大きなイベントではなく、すぐ気軽にできる小さな規模のイベントをたくさん開催している。
  • イベントなどの場に参加した人・携わった人が楽しいか、面白い!と思えるかどうかを大切に活動している。
  • 物事をマイナスにとらえず、状況に合わせてプラスに考え工夫していくことを団体のルールとして心がけている。
  • 情報発信はとても重要視していて、WEBやSNSを活用している。特にSNSは地元の高校生たちに更新をお願いしていて、結果、地域連携がしやすくなったりファン増加に繋がっている。
  • 活動を無理なく波及させていくには多様な人・団体との連携が不可欠。何かを行うときは行政や地域の他団体、高校や大学が関われるような展開をしている。
  • 例えば小学校の歴代PTA会長など、意識が高く行動力ある人材を離さないよう、常に楽しいと思ってもらえる環境づくりを行なっている。

 

上記の中で特に「すごい!」と感じたのは、『発足時にメンバー全員で人生年表を書いて全員で共有をした』と言うお話。

 

メンバーそれぞれがこれまでにどのような経験をして、どんなことを考えて今ここにいるのか、ということをきちんと全員で共通認識を持っていることで、安心感を持って楽しみながら活動できる環境づくりができていることが、ふるコミの強みだなと感じました。

 

 

年明け1月〜3月は資金調達強化月間!

 

組織開発強化月間は今回の公開研究会をもって終了しました。

2020年1月〜3月は次のテーマ『資金調達強化月間』がスタートします!

 

ココラボ相談支援事業にて資金調達についての相談受付を強化いたします。

地域コミュニティ、NPO、任意団体、地域おこし協力隊など地域活性の取り組みや企業の社会貢献活動などなど、県内のさまざまな団体の方からの資金調達に関するご相談をお待ちしております!

(もちろん、資金調達以外のご相談も随時受け付けております。)

 

3月下旬には資金調達の公開研究会も開催いたします。

 

相談支援業務の候補日程や公開研究会の詳細など、情報が確定し次第、随時お知らせいたします。

 

2020年もココラボから、鹿児島の社会的事業の発展と皆さまのご活躍を応援していきます!

来年もよろしくお願いいたします(^ ^)/